新聞掲載紹介 - 紀州新聞(2014年1月29日)

更新:2014年2月3日

安全性高い「ネルソン・マンデラ号」
中紀バス(株)が大型観光バス導入
紀州新聞(2014年1月29日)

由良町里、中紀バス(株)が27日、創業80周年記念事業として新たに大型観光バスを導入した。80周年は「安全・安心」をテーマに安全性の高い車両を配備。同事業関連で新車導入は3台目で、高垣宏会長が尊敬する偉人、ネルソン・マンデラ氏(故人)にちなんで命名。より一層、安全な旅を提供したいとしている。

大型観光バスは日野自動車(株)製で、マリンカラーを採用し、乗車定員は60人(49席と11補助席)。安全性を重視し、衝突を避けられない状況をレーダーセンサーで予測し、ブレーキを自動的に制御し衝突の被害を軽減するトヨタ自動車(株)のブレーキシステム・PCS(プリクラッシュセーフティ)、急な運転操作や旋回時などによって発生する車両のロール現象や横滑りなどを軽減する車両安定制御システム・VSC(ビークルスタビリティコントロール)、ステアリングの操作量からふらつき度合いを判定する「ふらつき警報」、衝突や急停車の際に自動的にシートベルトを固定し体を守るELR(緊急ロック式巻き取り装置)を搭載。

このほか、独自の取り組みとしてドライブレコーダーの役割を果たすカメラを車両の前方3カ所に設置。視界が130度に広がり、前方だけでなく側面も撮影できるため死角ができず、ドライバーに安全運転を促す。エンジンはクリーンディーゼルシステム「工ア ループ」を採用し環境にも配慮した。

ハード面だけでなく、年に2回、全社員対象に安全運転マネジメント研修を実施するなど安全意識の徹底をはかり、昨年9月には公益社団法人日本バス協会の貸切バス事業者安全性評価認定で二つ星に昇格するなど取り組みが高く評価されたばかり。

高垣宏会長(80)は「70周年の時は、福祉をテーマにリフト付きのバスを導入し、80周年は『安全・安心』をテーマにPCSなど安全に関わる装置を設置している。バス業界において一番重視されるのは安全で、いろいろ取り組んでいる。今回の新車には人種差別に取り組み、私自身尊敬するネルソン・マンデラ氏にあやかって名を付けた。より一層安全運転に努めたい」と話した。

ネルソン・マンデラ氏は、南アフリカ共和国の元大統領。反アパルトヘイト運動の指導者でノーベル賞受賞。