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新聞掲載紹介 - 紀伊民報(2014年9月30日)

更新:2014年10月3日

江戸時代にタイムスリップ
上富田-串本「古座街道」
旅行会社が初ツアー
紀伊民報(2014年10月3日)

上富田町朝来から串本町古座までの内陸の古道「古座街道」(約80キロ)を歩くツアーが、旅行会社により初めて企画された。10月から来年3月まで6回に分けて踏破するツアー。ほかにも企画を検討する旅行会社があり、地元の地域おこし団体は旅行客が訪れることによる地域の活性化に期待している。

県内の着地型旅行を推進する「わかやま旅企画(中紀バス旅行)」大阪事務所長の近藤正幸さんの働き掛けで、朝日旅行(大阪市)が企画した。第1回は10月22日の日帰り。

その後、11月から来年3月までの毎月、日帰りや1泊2日のツアーを計画している。10月22日のツアーは25日現在、25人の申し込みがあるという。

ツアーの企画には古座川流域の旅館経営者でつくる地域おこし団体「古座川街道やどやの会」(神保圭志会長)が協力。ツアーでは紀南の住民団体「熊野古道大辺路刈り開き隊」(上野一夫代表)のメンバーが案内役を務める。

古座街道は、明治中期まで紀南の主要街道の一つで「熊野中道」ともいわれた。熊野参詣道の最短ルートとして、多くの巡礼者や商人に利用された。三つの峠越えを中心に石畳や石仏など昔の古道の雰囲気が今でも残っている。

この古道を、刈り開き隊ややどやの会などが2011年春から昨年11月にかけて復元。今年4月から7月にかけて串本アウトドアフェスティバルでウォークイベントが催され、好評だった。

旅行会社に働き掛りた近藤さんは「熊野街道は、江戸時代にタイムスリップしたような雰囲気を味わえる不思議な道。中辺路や商野山の古道とは全然遭う。司馬遼太郎のエッセー『街道をゆく』を肌で感じることができる。都会の団塊世代には涙が出るほどの空間だと思う」と話す。朝日旅行以外にも、3社が興味を示しているという。

神保会長は「人々が忘れかけていた道をよみがえらせた。あまり知られていない道なので新鮮だと思う」。上野代表は「昔のままの熊野の風景が残っている。俗化されていない場所で、魅力を多くの人に知ってもらいたい」とツアー企画を歓迎する。今後もツアーを誘致したり、協力したりして盛り上げていきたいという。